2015年08月09日更新
「情報の空白地帯」を埋める:一般社団法人情報支援レスキュー隊(IT DART)創立総会レポート
2015年3月、仙台にて開催された国連防災世界会議でIT DARTのワークショップに参加してユレッジにてレポートしました。8月8日、一般社団法人情報支援レスキュー隊(IT DART)が創立され、その総会とワークショップが…
2014年02月21日
【加藤】1月にさきほど話したRace for Resilienceのアイデアソンを僕が取材して来たのだけど、元々それは開発途上国の防災に対してITで何ができるかということだったんだよね。インドネシアの班、マレーシアの班というように、担当する国が決まっていて、アイデア出しをやるんだけど、基本的にはそういうところってITが未成熟だったりする。スマホの普及率とか、インフラの脆弱性とか、その時にどういうことができるのか、また、災害はその国によって変わるから、地震が多いのか、河川の氾濫なのか、ハリケーンが毎年来るのか、それはグローバルに広げるから視えることだけど、日本の国内だけを見たってそういう部分はある。
【畠山】やっぱり防災やる時は、できるだけシンプルなモノとか方法があってると思うんですよね。だから、何もモノがない途上国のアイデアとか、すごく良いかも知れないです。3.11のときは電話のかわりにtwitterとかが大活躍したので、そういうツールももちろん大切なわけですが、みんながみんなそういう機械が使えるわけではないと思うんです。たとえばこの辺の高齢の方は携帯電話を持ってない人も多いですし、そもそも私が住んでいる家は電波が届かないです。おそらく連絡を取るとしたら固定電話だけど、固定電話って家にいる時しか出ないから、畑とかに出ていたら連絡が取れません。そういう時に何で連絡するかと言ったら村内放送。ここはコミュニティがしっかりしていて、お宮行事や海岸清掃の案内が全部村内放送から流れてくるんです。多分、この場所は何かあったらきっと村内放送が入るんだろうなと思います。
【加藤】でも全く同じ話を開発途上国の話でもしていたよ。教会を起点に情報を流すとか、川伝いに狼煙みたいに伝えていくとか、インフラが限られていると、普段使っている通信手段を活用しようという話になる。
【畠山】スマホとかを筆頭に、現代技術って電気ないと動かないじゃないですか。3.11のときとかも電気が来ないだけでそういうものが役に立たなくなったときありましたよね。
【加藤】そこが千春の防災の出発点だよね。
【畠山】そういったものに頼りすぎずにいかに生き延びるかということだと思っています。
【加藤】僕も東北で地震があったという一報は、たまたまラジオを聴いていた近所のおばちゃんに教えてもらったからね。インターネットじゃなかった。「コースケくん、東北で地震らしいわ」という。
【畠山】アナログですね。
【加藤】実家だからご近所付き合いがあったのと、地震と同時にうちの地域は水道・ガス・電気、止まったから。
【畠山】そうですよね。防災ってすごくシンプル。
【加藤】シンプルというのともう一つ、「うまくやっても褒められないんだけど、失敗すると怒られる」ということだったりして、人の命に関わるからそうなんだけど。消防も警察もそうだろうし。多分、千春の防災も何も起こらなければ、なんの役にも立たないと言えば、そうとも言えるのだけど、逆にこれからの時代はそれだけじゃなくて、防災対策をやっていること自体、準備しているということ自体が、世に広まっていくことによって、意味が出てくるのではないかと思う。
【畠山】防災のことをやっておいて損はないと思いますよ。さっきも防災とコミュニティづくりはすごく似ているというお話をしましたけど、お互いがどう助け合うかということをずっと話し合うわけですから、防災をやればやるほど、絆が深まると思っています。
【加藤】それは災害起こる起こらない関係なく、ということだ。だからコミュニティが直面し得る課題の一つとして災害を抱えていて、そこをどうしようかと話し合っていくこと自体がコミュニティの力になるってことだろうな。
【畠山】原発事故が起こったらどう逃げますか、というアンケートが回ってきた時、胸が苦しくて。お宮行事のときに皆で公民館に集まって、ひとしきり仲良くご飯食べたあとに、さらりと最後にアンケートが配られたんです。豊かな自然があって、美しい棚田があって、温かい人たちが住んでいるこの地域には、原発のことなんて忘れてしまいそうなくらい穏やかな暮らしがあるんです。でもこの日常の中に、間違いなく原発があるんだなって実感して。ここの人たちは「先祖代々受け継いだ土地だから」ってこの場所をとても大事にされているんです。もしここになにかあったら…と考えるだけで、胸がギューッとなって、悔しいなと思います。
【加藤】なるほど。
【畠山】でも、ここに住むからにはこの問題とずっと付き合っていかないといけないですよね。だからこそ、悔しいとか悲しいとかそういう気持ちだけで取り組みたくなくて。避難訓練と家族旅行を一緒にしてみたり、他の地域コミュニティと提携してみたりと、あくまでも楽しみながら防災が出来たら良いなと思っています。今回お話して、改めて私たちもしっかり防災に取り組んでいこうという気持ちが強まって良かったです。それとやっぱり、私の言いたいことは、先に挙げた堀潤さんの映画を観た時にFacebookページに書いたことが全てかなと思います。
畠山 千春 / 暮らしかた冒険家
新米猟師・ライター。311をきっかけに大量生産大量消費の暮らしに危機感を感じ、自分の暮らしを自分で作るべく活動中。2011年から動物の解体を学び、鶏や合鴨を絞めて食べるワークショップを主催。2013年に狩猟免許を取得し近くの山で狩りを始める。獲物の肉を食べるだけでなく、軟膏、薬作りや皮なめしもあわせて勉強中。現在は食べもの、エネルギー、仕事を自分たちで作る糸島シェアハウスを運営している。
http://chiharuh.jp
2015年08月09日更新
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2015年03月07日更新
誰しもが一度は「アウトドアって防災に役立つのでは?」と考えたことあるのではないでしょうか。アウトドアプロデューサー、ネイチャーインタープリターの長谷部 雅一さんにうかがったお話は、アウトドアの経験が防災に役立つ、という話…
2015年01月22日更新
今日、防災について考えるにあたって、欠かすことのできないものが「情報」です。編集者、ジャーナリストでNPO法人スタンバイ理事でもある江口晋太朗さんに、防災とジャーナリズムについて改めてお話をいただきたい、というのが今回の…
2014年10月28日更新
私たちは、自分の街のことをどのくらい知っているでしょう?家と駅とコンビニを結ぶ導線以外の道を通ったことはありますか?駅とは反対側の道を歩くとどんな景色が広がっているのか知っていますか?そして、災害が起きた時、またもう一度…
2013年11月15日更新
【加藤】コストだけ見ると、すごく手前にある選択肢だけを選択してしまって、結果、先送りになってしまっている部分が大きいと思うのです。ただ、今おっしゃっていたように、減容するのが良いという話がある上で、焼却炉を作る、というよ…
2013年10月30日更新
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2013年08月25日更新
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2013年05月29日更新
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2013年09月21日更新
2013年07月10日更新
2015年03月10日更新
「レジリエンス」。自己回復力などとも訳されます。このことはこの1年のユレッジのサブテーマでもありました。1年以上前にこの言葉を最初に僕に教えてくださったのが、統計数理研究所副所長・教授の丸山宏さんでした。2015年3月1…
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「復興は進んでいますか?」そういう質問をたまに耳にすることがあります。石巻復興支援ネットワーク 理事の渡部 慶太さんに寄稿いただきました。2011年以前と以降で東日本大震災は社会起業と呼ばれていた世界にどう影響を及ぼした…
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2014年12月05日更新
ユレッジでまだ食べることと防災のことについて扱っていないという時に、ご相談することにしたのがえと菜園代表取締役、NPO農スクール代表の小島希世子さんでした。著書『ホームレス農園: 命をつなぐ「農」を作る! 若き女性起業家…
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2014年08月14日更新
僧侶の松下弓月さんに寄稿いただきました。ユレッジで、防災と心のケアについて、という難しいお願いに辛抱強く取り組んでいただきました。防災における仏教の役割を、現実的な解として、提示いただけたと思います。 こんにちは。僧侶の…
2014年06月04日更新
震災から3年余りを過ぎて、ITと防災の分野で、ここまで行われてきたことを振り返って俯瞰し、これからの取り組みの見通しが効くようにしたい、それがHack for Japanの高橋憲一さんへのお願いでした。テクノロジーの未来…
2014年05月22日更新
今回のテーマは「プロダクトデザイン×防災」ということで、フィリピンのボホール島で青年海外協力隊として活躍する徳島泰さんにスカイプでインタビューしました。国は違えど共通で浮かび上がる災害時の課題。防災において、プロダクトデ…
2014年04月06日更新
東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻博士課程後期1年の鈴木さちさんにRAW(リスク&アーキテクチャー・ワークショップ) 石巻をレポートいただきました。イベント・レポートのみならず、そこに至るまでの経緯も含めて、丁寧に…
2014年03月06日更新
災害ボランティアセンターをご存知でしょうか。ボランティア希望者とボランティア団体をつなぐ、NPO法人ボランティアインフォの北村 孝之さんにユレッジでインタビューしました。災害時、災害後、求められる中間支援がボランティアの…
2014年02月21日更新
2011年3月11日の東日本大震災、その後の原発事故。誰しも、とは言いませんが、一瞬「今、住んでいる場所を離れる」ことを考えた人は多いのではないでしょうか。ユレッジでは糸島シェアハウスに住む、暮らしかた冒険家、畠山千春さ…
2013年12月20日更新
公益社団法人助けあいジャパン 代表理事の野田 祐機さんに寄稿いただきました。全国47都道府県から2,000人もの学生を東北へ連れて行く「きっかけバス」。復興や防災を自分ごとにするための助けあいジャパンのプロジェクトです。…
2013年11月15日更新
東京大学アイソトープ総合センターセンター長 / 東京大学先端科学技術研究センター教授の児玉龍彦さんに、ユレッジでインタビューして来ました。近著、『放射能は取り除ける 本当に役立つ除染の科学』の内容を踏まえ、南相馬市を中心…
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2013年07月30日更新
ライターの三橋ゆか里さんは、日本のみならず、海外のWEBサービス、アプリ、スタートアップ事情にも精通しており、様々なメディアに執筆されています。ユレッジではテクノロジー企業やスタートアップが、災害時、また、防災に、どのよ…
2013年06月19日更新
和田裕介さんは、人気サイト「ボケて」を初めとした、様々なWebサービスを手がけるエンジニアです。和田さんには震災を受けて、自身が開発したWebサービスを振り返りながら、自分自身の経験と、これからWebサービスが防災に果た…
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ジャーナリストの松村 太郎さんは、現在、アメリカ西海岸を中心に活躍されています。ユレッジには今年3月、被災地を取材したことを下地に、震災の記録と記憶の情報化について、またそこにある「学び」についての示唆をいただきました。…
2013年04月09日更新
フリービット株式会社 戦略デザインセンター デザイナーの児玉 哲彦さんは、自社において、製品開発やブランド醸成、プロジェクトマネージメントなど様々な領域で、デザインをどう実際のアクション・プランに落とし込んでいくか、デザ…
2013年04月09日更新
ユレッジは、日本の「揺れやすさ」と地震防災を考えるサイトです。 ユレッジは: 揺れの「ナレッジ」(知)が集まるメディアであり、 揺れについて学ぶ「カレッジ」(学び)であり、 揺れと日々の暮らしの関わりを考える「ビレッジ」…
2016年04月10日更新
防災に関わる私が『想像ラジオ』を無視できない3つの理由 あじー なぜいま、災害作品レビューを書くのか 東北地方太平洋沖地震の発生から5年が経ちました。私たちは震災を契機に地震や災害とどう向き合うべきなのか?いまだ確実な答…
2015年10月02日更新
被災、という言葉と、復興という言葉。防災ということを考えるにあたって、直後の災害対応について考えるだけでなく、より長い時間軸、人や街や共同体が新しい姿を模索していくことを中長期的な視点で捉えることは、このユレッジというプ…
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2015年03月27日更新
J-SHIS 地震ハザードステーションでは、様々な情報をAPIの形で提供しています。J-SHIS Mapで実際に利用している統計データを、一般の開発者にも使える形で提供しており、地震防災に役立つAPIとしては、代表的なも…
2015年03月15日更新
事前にご案内の記事も書きましたが、仙台では3月14日より国連防災世界会議が開催されています。今回、一般向けに用意されているいくつかのパブリックフォーラムのうち、ユレッジでは情報支援レスキュー隊(IT DART)のプログラ…
2015年03月07日更新
こんにちわ。ユレッジ編集長の加藤康祐です。皆さん、この3月に国連防災世界会議というのが仙台で開催されるのをご存知でしょうか。2015年3月14日から3月18日までの期間、第1回(1994年、於:横浜)、第2回(2005年…
2014年05月24日更新
取材:加藤 康祐 茨城県つくば市に防災科学技術研究所はあります。今回、ユレッジでは、この防災科学技術研究所を見学させていただきました。災害と一口に言っても、様々な種類があります。地震、火山、気象、土砂、雪氷と言った様々な…
2014年03月20日更新
【A】今回は予告通り、J-SHIS Mapで今一番HOTな地図といえる「長期間平均ハザード地図」についてご紹介したいと思います。 【J子】以前紹介した「確率論的地震動予測地図」もそうでしたが、またまた長くて覚えにくい名前…
2014年03月17日更新
【A】数回に渡って「全国地震動予測地図(≒J-SHIS Map)」についてご紹介してきました。これまでさらっと流してきましたが、J子さん、「地震動」について正しく説明できますか? 【J子】え?「地震」のことじゃないんです…
2014年02月12日更新
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2014年01月11日更新
2014年1月10日、世界銀行東京事務所にて開催されたRace for Resilience アイデアソンを取材に行って来ました。Race for Resilienceは、2014年2月、世界銀行 東京防災ハブの立ち上げ…
2013年08月08日更新
【J子】最近、友だちのS子が八王子に引っ越しまして。聞くと、J-SHISを見て地盤がいいからってそこに決めたみたいなんです。「どんな地震が来ても揺れにくい場所だから安心〜♪」って言ってました。 【A】J-SHISを使いこ…
2013年07月10日更新
【A】今日は先日発表された地震ハザードステーション(J-SHIS)の新機能「地震ハザードカルテ」をざっくりとご紹介したいと思います。 【J子】ほー、カルテですか。カルテって聞くと、病院のカルテを連想しますけど。自分専用の…
第3回:Blabo! × ユレッジ コラボ企画 世界一地震が起こる日本を、世界一被害が生まれない国にするための防災アイデアレビュー 【A】前回ご紹介したJ-SHIS Mapで断層情報が見れる件、関西在住のお友達に教えてあ…
2013年04月30日更新
第2回:J-SHIS Mapを使って、今いる場所の断層情報をチェックしてみよう 【J子】最近、大きめの地震が続いていますね。これはなにかの前触れなのかな?と思うと、ドキドキしちゃって。テレビでも「大地震の引き金となる可能…
2013年04月09日更新
第1回:防災のための基礎情報をスマフォアプリでGET! 【A】東北地方太平洋沖地震から2年が経ちましたね。震災を経験して、日常生活でなにか変わったことはありますか? 【J子】防災グッズや保存食を家に常備したくらいでしょう…